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2010年03月04日

アルバム「PLEASE, PLEASE ME」

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ザ・ビートルズのデビューアルバムはこの「プリーズ・プリーズ・ミー」ですが、日本に住んでいた日本人のビートルズファンで、このアルバムの冒頭「1,2,3,4 !」で始まるアイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼアで、ビートルズ・アルバムデビューの衝撃を感じた人はほとんどいないはずです。もちろんそれを外して考えても、このアルバムの「ロックンロール」なテイストは、抜群の完成度を持っていますが。

シングルデビュー後に順調な売れ行きを見せていたビートルズでしたが、このアルバムはビートルズがデビュー以前から演奏に慣れていた「得意なナンバー」を中心に、ほぼライブに近い感覚の録音になったようです。そのためこの時代としては格別に「音がきれい」だと感じます。

ご存知のとおり、ジョンはこの日に風邪をひいていて、全ての曲で「鼻声」です。ビートルズのアルバムは「シングル発売された曲を(なるべく)ダブらせない」主旨で選曲されていますが、このアルバムに限っては「ラブミードゥ」「プリーズ・プリーズ・ミー」と他に12曲〜と、ジャケットに書かれているのも今となってはユニークに感じます。

オープニングがポールによる「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」〜エンディングはジョンの「ツイス・トアンド・シャウト」ということで、まさに1本のビートルズライブを模した展開です。その中でも、オリジナル作品「アスクミー・ホワイ」「P.S.アイラブユー」の2曲は秀逸で、ここでもジョンとポールのラブソングの競演を堪能できます。

これも小曲ですがジョージの歌う「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」は、上記の2曲を受けたジョージ風の美しいラブソングです。作曲はジョンだと思われます。いずれも、リードヴォーカル以外の二人の歌い手が絶妙のコーラスワークを聞かせていて、ビートルズ=コーラスグループという図式が早くも完成しています。

またオリジナル曲・カバー曲を含め、全体にアメリカのモータウンサウンド、R&Bサウンドを意識したものが多く、当時のビートルズメンバーがアメリカのサウンドに憧れていて、強く影響を受けたことも伺えます。
 
posted by 国王SUNKING at 17:24 | Comment(2) | ビートルズアルバム

アルバム「WITH THE BEATLES」

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「ウィズ・ザ・ビートルズ」〜ビートルズと一緒に〜は、当時を物語る可愛いタイトルのアルバムですね。ジャケット写真はかなりコントラストの強いモノクロで、四人の顔がはっきり分かるものとなっています。前作の「プリーズ・プリーズ・ミー」ではまだ確立されていなかったアイデンティティが、この作品から強く打ち出されている気がしますね。「メンバー四人が対等である」という原則も見て取れますし、彼らのトレードマークにもなった髪型「マッシュルームカット」も似合ってきました。

このアルバムの醍醐味は前半の3曲に集約されていると言ったら言い過ぎでしょうか。1目目「イット・ウォント・ビー・ロング」は、ビートルズ・インパクトの代名詞のような「イントロなしでドカン」。しかも曲の構成・コードの選択など、通常のロックンロールのような単調なものでなく、はっきり「ビートルズ風」を確立しています。さらには3声のハーモニーやリードとバックの追っかけヴォーカルもありですね。

2曲目は一転、物悲しい「オール・アイヴ・ゴット・トゥ・ドゥ」。この2曲はメドレーで切り離すことはできないと語る友人もいます。アメリカの黒っぽいサウンドをかなり意識した曲ですが、ジョンレノンが作って歌えばこうなるということでしょう、素晴らしいですね。そして続くのが「オール・マイ・ラビング」、語るまでもない至極の名曲ですね。

ビートルズはこのアルバムの制作と同時期に、シングル曲のレコーディングやライブステージ、テレビ出演など、忙しい日々を送っていますが、「ヒット曲量産体制」の傍ら、このような渋い選曲を集めたセカンドアルバムを発売したことは、凄いことだと思います。

録音状態は前作「プリーズ・プリーズ・ミー」より劣ると感じます。後に発売されたステレオ盤では、ロール・オーヴァー・ベートーヴェンなど、あきらかに無理のある「つなぎ」も発見できますね。しかしながら、このアルバムをビートルズのベストに挙げるファンの方もいるようで、「流石はビートルズ」と言わざるを得ません。
 
posted by 国王SUNKING at 16:29 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「A HARD DAY'S NIGHT」

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サ・ビートルズ3枚目のアルバム「ア・ハード・デイズ・ナイト」は1964年に発売されました。このアルバム(同名の映画・楽曲)は二本では「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」と名付けられました。21世紀の現在「死語」とまでは言いませんが、当時の日本では「読みづらい・覚えづらい」タイトルは邦題化される習慣があったようです。

今となっては当たり前のことですがタイトル曲のイントロ、いわゆる「ジャ〜ン」は、世界中にビートルズ時代の幕開けを宣言するのに充分なインパクトです。実際、後追いビートルズファンの私でさえこの曲を初めて聴いた日の夜、布団の中でもまだ「ジャ〜ン」は鳴っていました!

同名の映画のサウンドトラックという位置づけですが、全てがオリジナル曲となっています。他のアルバムと比較し決定的に相違するのは「リンゴが歌っていない」ということです。この頃、ジョンレノンは作曲家として最初の「絶頂期」を迎えていて、適当に口ずさんでも「それが名曲」になっていたようなものです。

先述の通り、ジョンの作曲したものはジョージの歌う「アイム・ハピー・ジャスト・ダンス・ウィズ・ユー」を含め、全てが名曲揃い。曲そのもののパワーに加え、ポールとのデュオが光る「イフ・アイ・フェル」や、オリジナリティ溢れる構成の「テル・ミー・ホワイ」「エニイ・タイム・アット・オール」など、どれをとっても最高の出来だと言えます。

ポールはジョンのパワーにやや押され気味ですが、名曲「アンド・アイ・ラヴ・ハー」とオリジナルR&R「キャント・バイ・ミー・ラヴ」で対抗していますね。両曲ともそれぞれ素晴らしい出来映えです。

私の独自解釈なのですが、初期のビートルズは「奇数アルバム」と「偶数アルバム」で交互に味わえるようになっていて、この3枚目のアルバムは1枚目の「プリーズ・プリーズ・ミー」をさらに昇華させた雰囲気を持っているように感じています。
 
posted by 国王SUNKING at 15:07 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「BEATLES FOR SALE」

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アルバム「ビートルズ・フォーセール」は1964年の12月に発売されました。四人は黒いコートに身を包んでいますね。クリスマス商戦に併せて「ビートルズ、売ってます〜」という、これも可愛いタイトルのアルバムです。この4枚目のアルバムまでがいわゆる「初期のビートルズ」と言って良いのでしょう。

これまでにもあった傾向ですが、このアルバムのジョンはオリジナル曲において「ネガティブなラブソング」が全面に出ています。その反面、カバー曲ではまるで「最後の花火」のようにロックンロールを絶唱しています。前者は「ノー・リプライ」「アイム・ア・ルーザー」がその代表です。後者は「ロック・アンド・ロール・ミュージック」「ミスター・ムーンライト」。

一方ポールは、これと言って目新しいオリジナル曲は出来ませんでした。「アイル・フォロー・ザ・サン」は名曲ですが、このレコーディングよりずっと以前に発想していた曲だと思います。「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」を好きな曲に挙げるビートルズファンもいますが、自分の評価としてはイマイチですか。

アルバム全体にカントリー色が漂う、アコースティックサウンドが感じられ、そこが好きだと言う人も多いようです。また、ビートルズを演奏する人たちや、ジョンのロックンロールヴォーカルが好きな人には、このアルバムがベストであると言えるのかも知れません。
 
posted by 国王SUNKING at 14:31 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「HELP!」

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アルバム「HELP!」は「四人はアイドル」と日本では命名され(?)ビートルズの初期と中期の境目を漂っている感じがするのは、自分だけでしょうかね。同名の映画はカラーで制作・公開されました。

これまた独自の解釈ですが、前作の映画「ア・ハード・デイズ・ナイト」のタイトル曲覇権に敗れたポールは、この2回戦でもジョンの「ヘルプ!」にその座を譲った感があります。しかしながらジョンにしてみればタイトル曲「ヘルプ!」は映画のタイトルに相応しい「ヒット狙い」というより、精神的な分野への門を開きたかった曲のような印象もします。もう少しスローな曲に仕上げたかったとも聞きました。それは「ユーヴ・ゴット・トゥ・ハイド・ユア・ラヴ・アウェイ」にも続くイメージです。

アルバムとしてはかつてのA面(CD1-7)が映画用のオリジナル作品で締められ、流れるような展開を見せているのに対し、B面(CD8-14)は寄せ集め的な印象です。ポールはタイトル曲こそジョンに譲っていますが、「ザ・ナイト・ビフォア」「アナザー・ガール」でその後の才能の開花を予言しているようにも見えます。またジョージは「アイ・ニード・ユー」を作曲し「ウィズ・ザ・ビートルズ」収録の「ドント・バザー・ミー」の失敗から立ち直る兆しを見せました。(極論ですみません〜)

しかしながら、注目すべきなのはB面(8-14)で、ジョンのオリジナル「イッツ・オンリー・ラヴ」カバー「ディジー・ミス・リジー」に対して、ポールのオリジナル2曲「アイヴ・ジャスト・シーン・ア・フェイス」「イエスタデイ」はかなり強い光を放っている気がします。「イッツ・オンリー・ラヴ」はもちろん素晴らしい曲ですが、ポールの「アイヴ・ジャスト・シーン・ア・フェイス」は、新たに歩み出したポールマッカートニーのサウンドを感じさせます。残念ながらラストを締めくくるジョンの「ディジー・ミス・リジー」が滑稽に聴こえてしまうほど。
 
posted by 国王SUNKING at 12:33 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「RUBBER SOUL」

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ビートルズ中期のアルバム「ラバーソウル」は、ビートルズがバンド全体で向かえた絶頂期的アルバムだと思っています。ロック色こそ控え気味ですが、名曲の宝庫と断言して良いと思います。ジョンとポールの好バランスに加えジョージ・ハリスンが独自の世界を作り初めています。

オープニングはまたまた「ビートルズマジック」を用いたロックなナンバー「ドライヴ・マイ・カー」ですが、歌はポールが主導権を持っています。

ジョン・レノンの作品として「ノーウェジアン・ウッド」「ノーホエア・マン」「ガール」「イン・マイ・ライフ」などどれを例に挙げても、最高級の作品がずらり。ポール・マッカートニーの作品も「ドライヴ・マイ・カー」「ユー・ウォント・シー・ミー」「ミッシェル」「アイム・ルッキング・スルー・ユー」と炸裂していますね。ジョージ・ハリスンの「イフ・アイ・ニーデド・サムワン」も見逃せません。

ビートルズの凄さは上記に留まりません。その他の小曲で例えば「ザ・ワード」「ウェイト」はまるでレノン・マッッカートニーの兄弟のような2曲で、このアルバムの「まとめ役」とも感じられます。それに「シンク・フォー・ユアセルフ」「ラン・フォー・ユア・ライフ」はジョージとジョンで兄弟のような曲を作ったとも感じられます。

その一方で、ポールの「ミッシェル」とジョンの「ガール」は、レノン・マッッカートニーの直接対決のような位置づけで、どちらも甲乙つけがたい名曲だと思えます。

この「ラバーソウル」というアルバムを境に、その後はジョンとポール、ジョージがそれぞれの方向を向いて歩き始めてゆく…そんな気がします。
 
posted by 国王SUNKING at 10:27 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「REVOLVER」

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ビートルズ6枚目のアルバム「リボルバー」は1966年に発売されました。オープニングがジョージ・ハリスン作のタックスマンという、これまでとは違う様相を見せています。音作りもこれまでのナチュラルな響きから「歪み系サウンド」が強くなりました。

ジョンの作品に関して少しずつ「独自なロックの世界」へ動き始めています。「アンド・ユア・バード・キャン・シング」「ドクター・ロバート」は兄弟のような曲で、2曲ともジョンレノン風のロックです。それに加え「シー・セッド・シー・セッド」はアルバムに収録されなかった「レイン」との共通点を感じます。

さらにジョンの世界を感じさせるのが「アイム・オンリー・スリーピング」で、売れる・売れない、聞いて欲しい・欲しくないという、通常のミュージシャンが考える常識を超え始めたと感じます。その集大成的な曲が「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」。完全に新しい音楽性の追求に踏み出した感があります。

ポールはというと「エリナー・リグビー」で第2のイエスタデーを狙いつつ、「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」「フォー・ノー・ワン」など、自分の音楽世界を確立しています。その一方で「グッド・デイ・サンシャイン」はかなりの意欲作で、このアルバムのイメージを芸術面で高めていると思えます。ラスト前の「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」は、その後のウイングスにもつながってゆく、とても重要な曲だと感じます。

リンゴの歌う「イエロー・サブマリン」のみこのアルバム中「異様な存在」です。良い意味もあり、逆の意味もありですが。

アルバムジャケットはクラウス・ブーアマン(クラウス・フォアマン)によるもので、クラウスはドイツ・ハンブルグ時代からのビートルズの友人。後に、ジョン・レノンの トロント・ロック・フェスティバルや、アルバム「ジョンの魂」「イマジン」でベースを担当するなど、かなり重要な人物。
 
posted by 国王SUNKING at 07:27 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」

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自分のようにリアルタイム世代でないビートルズファンだからこそ、大好きなアルバムの1枚として、この「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band(サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド)」を挙げられるのではないかとも思えます。それくらい、1966年当時のビートルズファンにとって難解で、「ビートルズは私たちを見捨てた」とまで言わせたアルバムです。

前作リボルバーからさらに発展したようなオーケストラサウンド、インド風の曲、ますます難解になるジョンの曲など、「ビートルズ=アイドル」を追いかけて来たファンにとっては、残念なアルバムだったかも知れませんね。

前年(1966年)にアメリカで発売されたザ・ビーチ・ボーイズのアルバム「ペット・サウンズ」から強い影響を受けたことは良く知られます。1967年、主にポール・マッカートニーが中心となり世界初のコンセプトアルバムは完成します。ライブ活動を停止したビートルズの替わりに架空のバンドがライブステージを展開するという発想で始まる冒頭のメドレーは、やはり凄い。テーマを歌う部分のコーラスも見事です。

曲間の隙間も短めにしてあり、1枚のアルバムで曲がつながっている印象を強く演出していますが、後にジョン・レノンが語っているように、冒頭とラスト以外の部分はこれまで通り、楽曲の詰め合わせであった気もします。

ポールの作曲による曲がこのアルバムの全体のイメージを支配しているのに対し、ジョンの作曲による曲は個性的です。中でも「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の2曲はビートルズを代表する楽曲に入ると思います。自分がジョンびいきということもあります。(笑)

Lucy In The Sky With Diamondsはテープの回転操作によりビートルズが「まるで子供の声」のように聴こえます。3拍子と4拍子を組み合わせたジョンレノン独特の世界です。ちなみにこの「Lucy」はその後アフリカで発見された「人類の祖先」として名付けられました。(発見時に発掘現場にこの曲がかかっていたらしい)最近では、さらに古い祖先(アルディ)が発見されたそうですが…。

一方A Day In The Lifeは、全体の曲はジョンによるものですが、中間部はポールの作曲で、今までとは別の意味でのレノン・マッカートニー共作となっています。2回登場するオーケストレーションのクレシェンドでは、まるでこの世の終わりを思わせるような響きです。

このアルバムは、モノラルのアナログ盤で聞かなければならない。と友人は言います。制作当時はモノラルでのリリースを念頭にしていたと思われ、Day In The Lifeのジョンのヴォーカルは、ステレオで聞くと最初右方面から聞こえ、徐々に左に移動して、最後には一番左の方から聴こえます。アナログ(レコード)盤で聞くべしという理由は音質面にもありますが、最後に挿入されている「へんてこな繰り返し部分」が、レコードで再生すると、中心の溝ぎりぎりに録音されていて、永久に繰り返される設計になっているからです。
 
posted by 国王SUNKING at 06:14 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」

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同名のテレビ番組用の挿入曲をまとめた2枚組の変則EPを、構成し直しLP盤として発売したアメリカ「キャピトル・レコード」の編集盤が世界に定着したもの。「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の大成功を見て、ポールが企画した第二弾「マジカル・ミステリー・ツアー」のテレビ映画はすこぶる不評で、ビートルズ初の失敗と決めつけられました。

このアルバムはその意味でも「アルバムとしての完成度」はぼ「無」と言えますが、映画用に作られた曲や、同時進行的に作られ発表された「名曲」が集まった重要なアルバムと言えるかも知れません。

ポールの作品が大きく扱われていて、「マジカル・ミステリー・ツアー」「ハロー・グッドバイ」の2曲のキャッチーなポップナンバーがAB両面のトップをつとめています。それ以外にも「フール・オン・ザ・ヒル」「ユア・マザー・シュッド・ノウ」は中期のポール・マッカートニーの名曲と讃えて良いでしょう。両者ともポールの「音楽的優しさ」に満ちている作品です。

一方ジョンは、大作「アイ・アム・ザ・ウォルラス」に時間を費やしていて、タイトル曲と対決の様相を見せていますね。対決と言えばポールの「ペニー・レイン」と「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」は、故郷リヴァプールをテーマにした二題で、互角の勝負を展開しています。ここでも、ポールの作品に対し、ジョンの曲は「技巧」に走っています。

「愛こそはすべて(All You Need Is Love)」はアルバム中別格で、宇宙通信衛星で世界同時放送されたものに少し手を加えて、シングルリリースされたらしいです。曲の扱われ方としては、その後にアニメ「イエローサブマリン」に使われたのも印象的でした。
 
posted by 国王SUNKING at 05:35 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「THE BEATLES」

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真っ白なので一般に「ホワイトアルバム」と呼ばれます。このアルバム、本名が「THE BEATLES」と名付けられただけあって、ビートルズの意気込みも並々ならぬものを感じますし、実際このアルバムを「最も好き」という人は相当数います。

アルバム構想の中で、プロデューサーのジョージ・マーティンは「くだらない曲を整理して1枚に集約すべき」と説得しましたが、メンバーは2枚組にこだわりました。ファンにとってはありがたい結果だったですよね。でも今思えば、その後にアンソロジーが発売されたので(ボツになった曲も聴けたわけで)、この時はジョージ・マーティンに従い、曲を厳選した1枚のアルバムで出されたら、どのようなアルバムになったのだろう?という興味もあります。

このアルバムを高く評価する人が多い理由は、単純に考えて「良い曲が多く入っている」からでしょうね。リボルバーの延長線に位置するとも思える、多彩な曲が収録されています。

まずポールの作品として「バック・イン・ザ U.S.S.R.」「バースディ」は後期を代表する2大ロックンロール。それに対しジョンは「ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」「エヴリボディーズ・ゴット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミー・アンド・マイ・モンキー」で応戦しています。さらに毒の多い作品でも両者の戦いは繰り広げられます。ポールはヘビメタの元祖「ヘルター・スケルター」を作り、ジョンは「ヤー・ブルース」でブルース・ロックを極めています。

ポールは特にアコースティクな曲でその座を確立していて「ブラックバード」「マザー・ネイチャーズ・サン」「ロッキー・ラクーン」の3曲は光っています。その他「マーサ・マイ・ディア」「アイ・ウィル」もポールの持ち味が良く出た名曲です。

ジョンは彼らしく、少しどろっとしたテイストの「グラス・オニオン」「セクシー・セディー」「アイム・ソー・タイアード」などで魅力を十分に見せてくれています。何れも、ジョンが好きならこの曲、ポールが好きならこの曲といった「通好み」の曲が満載なこともあり人気が高いのでしょうね。まるで「ビートルズおもちゃ箱」などと形容したくなるほどです。

一方ジョージは、後世にも燦然と輝く名曲「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」を発表。他にも良い曲を入れていますが、この1曲だけでも、レノン・マッカートニーを脅かす存在に成長したように見えます。

しかしご存知の通り、このアルバムの制作においてバンド「ザ・ビートルズ」は解散への大きな大一歩を踏み出してしまいました。バンドメンバーは既にお互いを「曲の仕上げを手伝ってくれる仲間」程度にしか、認識できなくなって来たのです。一番寂しい思いをしたのはリンゴで、一時脱退をしていました。自分の存在価値を見失ったからです。その反省は、後のアビーロードで活かされます。
 
posted by 国王SUNKING at 03:45 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「YELLOW SUBMARINE」

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ビートルズの公式アルバム中、最も重要でないアルバムとして最高票を集めることに間違いはないでしょう。アナログB面は「ビートルズ公式発表曲」に含まれないジョージマーティンの同名映画のサウンドトラックです。でも、これらも良く聞くと素晴らしい曲ばかりで、自分は「クラシック・カテゴリー」で聞けるようiTunesに設定をしています。

このアルバムで重要なのは数曲、ジョージの「オンリー・ア・ノーザン・ソング」「イッツ・オール・トゥ・マッチ」で、どちらもこの時期のジョージの作風が出ていてとても捨て難い曲です。特に「イッツ・オール・トゥ・マッチ」のイントロは印象的で、大好きです。

ポールの「オール・トゥゲザー・ナウ」も悪くないのですが、ジョンによる「ヘイ・ブルドッグ」はこの時期のジョンの作品中、傑作の一つだと思います。パワフルでノイジーなギターサウンド、ピアノから始まり徐々に熱くなる主題テーマなど、素晴らしいですね。出来ればフェードアウトでなく、エンディングまで「教えて欲しかった」です!
 
posted by 国王SUNKING at 03:36 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「LET IT BE」

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「レットイットビー」はアルバムとしての評価は高くありませんが、後期ビートルズの作品として「アビーロード」とセットで見た場合、その両方が存在してビートルズの解散を向かえる「表裏一体」の作品です。実際に、レコーディングは「レットイットビー」が先、発売は「アビーロード」が先で、「冥王星と海王星」のようなものです。(笑える?)

演奏順序は映画「レットイットビー」を参照する他ないのですが、後にルーフトップ・コンサートと呼ばれるライブ録音された曲が随所に入っていて、このアルバムの大きな魅力となっています。

ジャケットは意図的に作られた「ア・ハード・デイズ・ナイト」「リボルバー」を除き、唯一「1枚の写真に四人が揃っていない」デザインです。それでも、ビートルズのアルバム中、最も印象に残るアルバムジャケットの一つだと感じさせるのは、やはり四人のスターの顔が同分割で並び黒い枠で囲まれているという、絶妙のレイアウトがあってこそでしょう。

この頃になると、前作までに自分が「面白おかしく書いたジョンvsポール」の構図は、実際問題として彼らにのしかかり、マネージャーの擁立、楽曲の処理で衝突と、醜い主導権争いが表面化します。ジョージはポールの独裁的アルバム作りや、ギタリストとしての誇りにおける反発。ポールは、ジョンがヨーコと親密さを増し、現場まで押し掛けてくることへの違和感を露にします。ジョンはビートルズを続けることへの意味を見いだせなくなっています。

だとしても、曲は素晴らしいものが多く入っていますね。ポールのピアノ弾き語りによる名曲、さらには「ゲット・バック」このゲットバックは、このセッション中最高の出来だと思えます。「ディグ・ア・ポニー」と「アイヴ・ガッタ・フィーリング」では、音楽面での正しい「対決」が見られます。

さらには「トゥ・オブ・アス」と「ワン・アフター・909」。両者ともジョンとポールの最後のデュオ曲と言っても良いでしょう。アビーロードではその手の作品はありません。「トゥ・オブ・アス」はポールによるもので、映画の中ではもう少しライトヘビーなロック調のアレンジで演奏してます。一方の「ワン・アフター・909」は主にジョンの作品と思われ、まだビートルズデビュー以前に完成してたものを、アレンジを変えて演奏しています。

ジョージは「アイ・ミー・マイン」と「フォー・ユー・ブルー」をこのアルバムに「提供」していますが、実際にはもっと多くの作品を温めていたと思われ、後のソロ作品「オール・シングス・マスト・パス」でそれらを一気に開花させています。「アイ・ミー・マイン」は、ポールに対する「皮肉」を歌ったものと考えられますが、ポールは同曲で美しいハーモーニーを入れて協力していますし、ジョンとヨーコは映画で、この曲にあわせてダンスを踊っています。うぅ。
 
posted by 国王SUNKING at 02:38 | Comment(0) | ビートルズアルバム

アルバム「ABBEY ROAD」

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「アビー・ロード」ザ・ビートルズが最後に録音したはアルバムです。最後のアルバムと言っても、はじめから「最後のアルバムを作ろう」として作ったわけで、ザ・ビートルズを伝説化したラストアルバムと言えるでしょう。

皆さんがCDを聞くようになって、AB面を区別する概念はいつしか失せましたが、6曲目「アイ・ウォント・ユー」までがA面、「ヒア・カムズ・ザ・サン」からがB面です。
A面は、リンゴを含めたメンバー四人がそれぞれ、自信作をぶつけ合っています。

ジョンは今やジョンレノン的ロックの代名詞「カム・トゥゲザー」。これは選挙運動用に作られた曲ですが、チャックベリーのパクリとの判決(?)が下った問題作です。しかし演奏面はジョンのヴォーカル・ポールのベース・リンゴのドラミング、その全てがパーフェクトだと思えます。

ジョージのサムシングは説明の必要もないでしょう。ビートルズの全楽曲中、最も名曲だと表する人も多いほど完成度の高い曲です。発売当時「ギターはエリッククラプトンが弾いている」という噂まであったという素晴らしいギタープレイ、まるで歌うようなベースライン、ゆるゆるのドラムプレイなど、楽曲=演奏表現だとも言える素晴らしい仕上がりです。

ポールは「オー!ダーリン」で本領を発揮しています。ポールはおそらく「ヴォーカリストとしての最後の花」を咲かせることに意欲的だったと思われ、ロングトールサリーの時のように歌い上げるために、努力を惜しまなかったようです。今聞いても分かる通り、後期のポールマッカートニーの「歌唱賞」はこの曲が受賞していると評価できます。

最後はリンゴの「オクトパスズ・ガーデン」ですがこれも素晴らしい曲です。リンゴスター作曲によるもので、他のビートル3人の手助けもあり、完成度の高い仕上がりとなっています。

続く「アイ・ウォント・ユー」とB面の単発的な曲は別の場面で語るとして、「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」から始まるいわゆる「アビーロード・メドレー」はビートルズが自分たちのために作った「葬送曲」とも言える最高傑作です。葬送曲=レクイエムと言っても暗さは無く、壮大でありながら荒削りでダミナミック、エンディングまで流れるように続きます。冷ややかに分析すれば「未完成な曲を集めてつなげただけ」かも知れませんが、各曲(パーツ)が一体化し、ビートルズの集大成とも言えるパワー生み出して聞き手に大きな感動を与えています。
 
posted by 国王SUNKING at 00:22 | Comment(0) | ビートルズアルバム
※記事の内容は、筆者の勝手な思い込みもありますので、信じるも信じないも読む方の気持ち次第です。あまり深く考えないでください。